2011年01月

石狩湾新港企業団地連絡協議会 第25回新年交流会が開催されました

先週末、札幌市で開かれた「石狩湾新港企業団地連絡協議会 第25回新年交流会」で、当社代表の田中が石狩データセンターについて講演を行いました。

<講演の様子>

今回の講演は、「さくらインターネットのビジョンを実現する石狩データセンター」と題しまして、石狩データセンターのご紹介を中心に、「データセンター事業とは?」「クラウドコンピューティングとは?」というお話もさせていただきました。

交流会には、石狩湾新港地域の皆様が多く参加されていましたので、地元の方向けにデータセンター企業誘致が地域経済や地域事業にもたらすメリットもご紹介させていただきました。

<講演資料「データセンター企業誘致のメリット」>

余談ですが、この日の札幌の気温は、最高マイナス4度と非常に寒かったです(>_<) 石狩はもっと寒かったんでしょうね・・・

(広報宣伝「し」)

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「北の大地にデータセンターを」~石狩データセンター計画がスタートするまで~

さくらインターネット 田中邦裕

こんにちは。さくらインターネット代表の田中です。
今回は、当ブログにて石狩データセンター計画がスタートするまでの経緯について私からご紹介させていただきます。

※このコラムは、昨年末に日本Apacheユーザ会のイベント出展に際して、冊子に寄稿したものですが、メンバーの快い承諾を受けてこのほど転載させていただくこととなりました。
一部、年月日表記のみ修正を加えていますが、内容は原文のままとなります。

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1. はじめに

さくらインターネットでは、2010年の6月21日に、北海道石狩市へのデータセンター建設計画を発表しました。計画総ラック数は4,000ラック、1ラックあたりの供給電源は8kVAという、国内でも最大規模のデータセンター計画であり、多くのメディアやブログなどにおいても言及を頂きました。

しかしデータセンターというと大都市におかれるものという認識が多いなか、東京から遠く離れた石狩に作るということに驚かれた方も多いのではないかと思います。

かくいう私も、当初は北海道へのデータセンター設置に対しては懐疑的であり、北海道庁大阪事務所の方から誘致の話を聞かされた時も、上の空であったことを思い出します。
そのような中にありながら、なぜ今回のデータセンター計画を始めたのか、これまでの経緯について書きたいと思います。

2. データセンターの基礎
データセンターは、通信機器やサーバなどを設置するための建物・設備の総称で、昔から電電公社の電話交換局や、銀行などの電算センターといった形で存在していました。

そのようなデータセンターは、大都市郊外の地盤が良い地域(関西なら千里地区、関東なら多摩地区など)に設置され、そこから専用線で全国の拠点につながる形となっていました。

それが90年代後半からはインターネットバックボーンの引き込まれた、インターネットデータセンター(IDC)へと変わり、インターネットバックボーンに接続しやすい大都市中心部に移り始めます。
現在新設されるデータセンターの多くは東京23区内に集中している状況であり、中でも大手町付近は古くからIX(インターネットエクスチェンジ)が存在していることなどから、データセンターのメッカとなっているのはご存知の方も多いと思います。

しかし、大都市は土地の値段が高く、且つ高層ビル構造となることから建設コストも高く、おまけに大容量の電力を確保するために要する電力会社への負担金もバカになりません。
そのため、海外ではデータセンターは郊外で作るのが一般的となっており、インターネットコンテンツの多くが街中から姿を消しました。

3. 最初の郊外型データセンター計画
私が郊外にデータセンターを作ろうと考え始めたのは2007年の事でした。
そのころデータセンターの拠点数が増えたことによる人員の分散や、拡張性に乏しく欲しいときにすぐラックを用意できないといった様々な問題を抱えており、その解決のため1拠点の大規模化を目指していたのですが、都市部では莫大な投資がかかってしまうということから郊外の好適地を探していました。
そして、岐阜県大垣市のソフトピアジャパン にデータセンター設置の打診をしたのがその年の7月の事です。

ソフトピアジャパンは、東京と大阪の光ファイバーの結節点となっている個所でもあり、郊外といえども東京や大阪と同じ回線環境が得られるという絶好の立地でした。
郊外にありながら、回線環境が確保できるということで、ホスティング専用であれば問題ないだろうと考えたわけです。

しかしながら、1拠点あたりのラック数を増やすことによる運用効率の向上と、平屋に近い形で建物の建設コストを抑えたいという考えに対して、それに答えられるだけの広大な土地が確保できないということがネックになりました。

さらに追い打ちをかけたのが、好景気と資源高です。
当時は好景気の真っ最中、設備投資が相次いでいた時期で建設コストが高騰しており、おまけに毎週のようにマンホールのふたが盗まれるくらい資源高が続いていました。
ソフトピアジャパンの持つ地の利や、岐阜県庁の方々を始めとする地元自治体の丁寧な対応など、たいへん後ろ髪をひかれる思いではありましたが、その時は郊外型をあきらめ、大阪堂島においてホスティングに特化・効率化したラックルームを増設することになります。

4. 復活した郊外型データセンター計画
先の計画から2年後、2009年の夏に北海道庁大阪事務所の方がコンタクトを取ってこられました。
初めて北海道にデータセンターを作らないかという話を聞いた時には、「そんな遠くて問題無いのか」「回線はどうするのか」「寒さは大丈夫なのか」など、多くの疑問がわいてきたことを思い出します。
当然のことながら視察の要請を受けましたが、のらりくらりとかわし、結局視察に行ったのは暮れも押し迫る12月の事でした。

百聞は一見に如かずと言いますが、北海道は難しいと思っていた気持ちは、この視察の初日に瓦解することとなります。
大阪の自宅を8時前に出て新千歳空港に着いたのが10時半、そこから石狩までは1時間程度ですから、東京支社に行くのと大きくは変わりません。まずその時間に、「遠くはないな」という気持ちを持ちました。
そして実際の視察へ向かったわけですが、限りなく広がる北の大地を前に、私たちのビジョンの一つである「スケールメリットと柔軟性を兼ね備えたコスト競争力の高いITインフラの実現」という言葉が結びつきました。

さらに回線に関してもキャリアとの交渉次第で大容量回線(10Gbps以上)が引けるという情報を得て、RTTについても15msec~20msec程度と十分に短い時間であることが確認できたことから、現実的な選択であるという結論に至ります。

またその頃はリーマンショックの影響もあって、建設コストも資材コストも下がり、円高基調も相まって以前に比べて投資が非常に小さくできるということも計画を後押しすることになります。
その後、すぐにプロジェクトチームが結成され、2010年4月には仮設計と見積もりを済ませ、5月に大成建設で行うことも決定し、6月に対外発表するに至りました。

5. 今後の展望
石狩データセンターでは、広大な土地を最大限生かした拡張性と柔軟性を実現したほか、北海道の冷涼な気候を生かした外気空調による電気代の削減など、運用コストの低減が実現されます。
電気代については40%程度の削減が出来る見込みであり、それによる電源設備の削減も可能になることから初期投資額を抑えることが可能です。

現在の業界標準となっている都市型データセンターでは、より立地条件が良く、よりティアレベル が高いデータセンターが目指されていますが、これは多くの顧客の声に答えた正しい行動であり、『イノベーションのジレンマ』 における『持続的イノベーション』といえます。

それに対して石狩データセンターは、『破壊的イノベーション』といえ、既存の顧客の声に必ずしも答えたものではないかもしれませんが、多くの顧客はファシリティではなくサービスを購入したいと考えており、近い将来に多くの顧客にとって当たり前の選択になるであろうと考えています。

なお、郊外型データセンターを語るにあたって避けては通れないのがインターネット回線であると思います。
当然のことながら都市部に比べると回線の調達は楽ではありませんが、既に石狩データセンターでは東京まで冗長化された2系統の10Gbps回線を確保しており、回線のビット単価についても複合学習曲線に沿って永遠に下がるものと考えています。

『FREE(フリー)』 において、ジョージ・ギルダーの『未来の覇者』からの引用で次のように書かれています。

生産において物質の占める割合がとても小さい場合には、
生産量を増やすにあたって物質的な問題はあまり障害にならない

何を言いたいかというと、土地や建物、電気設備については低減することは非常に難しいわけですが、回線コストについてはこれからもイノベーションにおいてどんどん下がっていくものと思われます。
ましてや相応のスケールメリットがあれば、データセンターのコストに対して回線コストが十分に安いという状況が生まれます。

石狩データセンターの成否は、そのスケールメリットに集約されると考えています。
いかにサービスを投入し、いかに多くのお客様に利用頂き、ビットあたりの保存コストを、1コアあたりの利用料を、どれだけ安価にしていけるのかがポイントになります。

さくらのVPSにおいても月々980円と非常に安価なサービスを実現しましたが、石狩データセンターの完成によってさらにコストパフォーマンスの向上が目指せるでしょう。

データセンターが完全なフリー(無料)になることはありませんが、石狩データセンターは「安すぎて気にならない」くらい、手軽に使えるインターネットインフラを世の中に提供し、自分のやりたい事をフリー(自由)にインターネットで実現できる社会のために寄与してくれるものと考えています。

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さくらインターネット株式会社 代表取締役社長
田中邦裕

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ASCII.jpで石狩データセンターをお取り上げいただきました

ASCII.jpの記事「TECH.ASCII.jpが見た2010年IT業界の乱【後編】」で、石狩データセンターをお取り上げいただきました!

記事中のトピック「どこまで効率的に冷やせるか?~省エネデータセンターの乱~」で、外気冷却を取り入れる省エネデータセンターの例として、石狩データセンターをご紹介いただきました。

2010年を振り返り、2011年を占う TECH.ASCII.jpが見た2010年IT業界の乱【後編】

(広報宣伝「し」)

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北海道公式ホームページに記事が掲載されました

北海道公式ホームページ北海道データセンター立地ガイドに、北海道に立地を決定したデータセンター事例として石狩データセンターが取り上げられました。

北海道データセンター立地ガイドでは、北海道にデータセンターを建設することの優位性や北海道のデータセンター事例が紹介されています。その立地ガイドから、北海道にデータセンターを建設する優位性を抜粋しましたのでご参考まで。

■北海道にデータセンターを建設することの優位性

  1. 冷涼な気候
  2. 低い災害リスク
  3. 充実した交通ネットワーク
  4. 広大で安価な産業用地
  5. 豊富な人材
  6. 充実した優遇制度

詳細は、北海道データセンター立地ガイドをご覧ください!

(広報宣伝「し」)

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